建設コンサルタントが目指す 交通からみた
未来の北海道の姿への提言

北海道美瑛町

VITALITY

3.人・モノ・サービスが行き交い活力みなぎる世界の北海道

食料供給の安定と
拡大を目指した
新たな物流基盤をつくる

目前に迫る物流危機の回避と、季節変動や片荷輸送など物流事業者が抱える従来からの課題を同時に解決するために、
あらゆる手段を早期に講じる必要があります。

T11 目前に迫る物流危機回避への挑戦

北海道の物流業界では、ドライバー不足と2024年問題によるトラック輸送力の低下が物流全体に大きな影響を及ぼし、運賃上昇を引き起こす可能性が高いと言われています。そうした目前に迫る物流危機の回避と、季節変動や片荷輸送など物流事業者が抱える従来からの課題を同時に解決するために、あらゆる手段を早期に講じる必要があります。

  • 共同配送・中継輸送・貨客混載などに向けた環境整備
  • IC・SA・PA、道の駅などを活用した中継拠点整備・流通備蓄倉庫の整備・パレット化の推進
  • 物流データプラットフォームの構築と物流MaaSなどのシステム導入・AI活用
  • 基本計画区間を含む北海道新幹線の整備と貨物新幹線の導入
  • ダブル連結トラックや自動走行トラック、ドローン物流など新たな輸送手段の実装と物流拠点と連携したネットワークの形成
  • 各種実証実験の実施とその結果に基づく制度設計、法制度体系の見直しの実施
  • 「安全・安心」で「高速」な道路ネットワークの整備
  • 道路改良や路車間通信装置の設置など、完全自動走行化に向けた道路機能の高度化

T12 北海道・本州間の新たな輸送モード確立と輸送最適化への挑戦

九州・本州間は、道路橋、道路トンネル、在来線トンネル、新幹線トンネルの4本すべてが単独の機能で結ばれており、地続きのネットワークが確立しているのに対し、北海道・本州間は、在来線と新幹線が共用する青函トンネル1本のみです。そのため、青函トンネル以外の人流や物流は、海路と空路に頼らざるを得ない極めて非効率なネットワークとなっています。
北海道が有するポテンシャルを最大化し、国内はもとより世界に向けて北海道産の食料を届けるためには、津軽海峡トンネルの整備に向けた取組を今から進めるとともに、北海道・本州間の輸送最適化を図る必要があると考えます。また、世界を目指す観点から、北海道の地理的優位性を活かした北極海航路の積極的活用についても視野に入れる必要があると考えます。

  • 道路、在来線(旅客・貨物)、新幹線が独立して機能できる構造を有する津軽海峡トンネルの整備に向けた調査の実施
  • 津軽海峡トンネルに接続する道路の整備
  • 北極海航路の積極的活用に向けた主要港湾の機能強化
  • 北海道・本州間の輸送最適化に向けたインフラ整備に関するロードマップの作成・公表

強化すべき交通インフラ

  • 高規格道路ネットワークの早期全線開通
  • 高規格道路、都市内幹線道路、空港・港湾・ICアクセス道路の機能高度化
  • 完全自動走行化に向けた道路機能高度化
  • IC・SA・PA・鉄道駅・道の駅などを活用した交通結節点の整備
  • 北海道新幹線(新函館北斗~札幌間)の早期開通、および札幌~旭川間の新幹線延伸
  • 新千歳空港の拡充
  • 北海道・本州間の機能強化および接続道路の整備
  • 釧路港・苫小牧港の機能強化
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