建設コンサルタントが目指す 交通からみた
未来の北海道の姿への提言

北海道美瑛町

ENERGY

1.交通分野が先導して実現する
ゼロカーボン北海道

ゼロカーボン北海道
実現する基盤をつくる

北海道の生産空間では、再エネが製造され、また、その製造に関わっている人々が暮らしています。
そのため、生産空間での生活を維持する道路ネットワークや公共交通網を整備する必要があります。

T01 再エネ王国北海道の実現に
向けた挑戦

北海道は、太陽光や風力、バイオマス、地熱、石炭といった多様なエネルギー源が豊富に賦存し、再生可能エネルギーの活用に向けて全国最大の可能性がある「再エネ王国」と言われています。
再エネは主に、食料生産や観光拠点としての機能を担う生産空間(≒過疎地域)で製造されるため、再エネの製造を担う人々は生産空間で働き、住み続ける必要があります。したがって、再エネ王国北海道を発展させるためには、生産空間での暮らしの質を向上させる必要があり、そのために道路ネットワークや公共交通網を整備する必要があります。
また、この再エネを道内だけでなく本州でも活用を図るためには、北海道と本州を結ぶエネルギー網の強化が有効な手段です。
これらの条件が整えば、北海道の再エネはその実力を遺憾なく発揮できるようになり、その先にはエネルギー供給の側面から全国に貢献する再エネ王国北海道が実現します。

  • 生産空間での暮らしの質を高める「安全・安心」で「高速」な高規格道路ネットワークの整備や公共交通網の整備・交通結節点の整備
  • 北海道・本州間を結ぶエネルギー網の強化と新たな高圧直流送電線の整備

T02 道路交通のゼロカーボン化
に向けた挑戦

北海道の二酸化炭素排出量のおよそ2割を占める運輸部門は、ゼロカーボン北海道を実現する上でとても重要な要素となっています。その多くは道路交通から排出されているため、道路交通のゼロカーボン化は極めて重要な取組であると言えます。
例えば、渋滞やカーブ・勾配・追い越しなどにより加減速が多く発生している道路では、エンジンの燃焼効率が悪く二酸化炭素が多く発生しています。一方近年では、インターネットやビーコンなど道路と自動車の間で通信できる機器や、さらには自動運転技術が進化しており、それらを活用することで、自動車の流れを率よく制御できるようになっています。こうした新技術を北海道の地方の道路に実験的に導入することなどにより、交通の流れをゼロカーボンに近づける取組がとても重要になると考えます。また、給電施設の拡充や各種制度設計などによる電気自動車の普及や、ロードヒーティングや道路照明への再エネや廃熱利用など道路維持管理のゼロカーボン化についても力を入れるべきと考えます。

  • 道路と自動車間で通信可能な機器の整備
  • 自動車から排出される二酸化炭素を最小化する交通制御技術の開発・実験的取組の実施
  • 電気自動車給電施設の拡充、電気自動車普及に向けた各種制度設計
  • 道路維持管理におけるゼロカーボン化の推進

強化すべき交通インフラ

  • 高規格道路ネットワークの早期全線開通・機能高度化
  • IC・SA・PA・鉄道駅・道の駅などを活用した交通結節点の整備
  • 北海道と本州を結ぶエネルギー網の強化と新たな高圧直流送電線の整備
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